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建設業者必見!社会保険未加入対策について調べました!

建設業者必見!社会保険未加入対策について調べました!

国土交通省は建設業者に対し、社会保険への加入促進を過去5年間に渡り続けてきました。
このことは社会保険未加入対策と呼ばれています。

2017年までに、加入義務のある建設業許可業者の社会保険加入率を100%にするという目標を掲げ、今年ついにその年がやってきました。
一段と指導や取締りが厳しくなる見込みで、業界内は騒然としています。

そこで、この取り組みの目的や詳細について国土交通省のHPや電話取材を元に調べてみました。

※記事内で堅い言葉を使用するのは本意ではありませんが、出来る限りわかりやすくまとめました。

▽そもそも、社会保険て何?

社会保険とは、国民の生活を保障するための公的な制度で、ケガや事故、病気、失業、老後に介護が必要になった場合などあらゆるリスクに対する備えです。

事業所の形態によって強制加入の対象になり、法人の場合は人数に関わらず強制適用、個人事業所の場合は、常時5人以上の従業員を使用している場合は基本的に強制加入の対象です。

建設業の社会保険未加入対策では、このうちの労災保険と介護保険を除いた、医療保険、年金保険、雇用保険の3つの保険制度を加入の対象にしています。
社員の給与額に応じて保険料は変動し、社員と会社でほぼ同額を負担します。

給与が高ければ高いほど保険料も上がり、社員の生活を守るため必要不可欠なものではありますが、経営者にとっては頭を抱える理由の一つです。
これらに当てはまらない場合(常用労働者5人未満の個人事業所や、一人親方など)も、業態によってそれぞれ加入が必要な保険が存在します。

※補足:雇用保険は、「常用労働者5人未満の個人事業所」であっても、一人でも雇用していれば加入が必要です。

▽社会保険未加入対策の目的は?

近年建設投資の大幅な減少に伴っていわゆるダンピング受注が激化し、そのしわ寄せが技能労働者の賃金低下をもたらし、企業・労働者が法定福利費(社会保険などの会社負担分)を適正に負担しない保険未加入企業が多数存在しています。

社会保険への未加入は労働環境を悪化させ、若い人材の入職者を減少させる一因となり、技術継承の困難を招きます。今対策を行わなければ、近い将来、災害対応やインフラの維持・更新にも支障が生じかねません。

また、保険未加入企業の存在により、適正に法定福利費を負担し人材育成を行う企業ほどコストが高まり、競争上不利になる矛盾が発生。
人材確保と健全な競争環境の構築を図るため、このような取り組みがスタートしました。

厚生労働省の調べによると、平成4年頃には25万人もいた24歳以下の入職者は、平成21年にはたった5万人にまで減少しています。

▽具体的にどんなことを取り締まるの?

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(国土交通省資料より抜粋:http://www.mlit.go.jp/common/000192773.pdf)

これに関する取り締まりは、行政・元請・下請と立場によってやることが異なります。
資料の通り沢山項目がありますが、その中からいくつか抜粋してご紹介します。

■行政

・行政は建設業許可申請・更新時に社会保険加入状況の確認を行います。

(建設業許可申請直前の保険料を支払った領収書などを元に確認。社会保険に加入していない企業でも、建設業許可の新規の許可や更新等の許可は受けられますが、ただし適切な指導が取られ、それに従わない場合には、許可行政庁から建設業法に基づく監督処分を受ける場合もある。)

■元請企業

・元請け企業は、下請企業・現場作業員に対し、保険加入状況の確認・指導を行います。

(施工体制台帳の記載事項および再下請通知書の記載事項に、下請負人の社会保険に関する事項を追加。また、作業員名簿に被保険者番号記入欄を追加し、保険加入状況を把握。)

・また元請企業は、下請企業が法定福利費を適正に見積り・提示できるよう、

適正な法定福利費を内訳明示した見積書(標準見積書と呼ばれ各工事業団体が作成しています)を提出するよう明示する必要があります。

(下請企業からの見積書に法定福利費が明示されているにもかかわらず、元請企業がこれを尊重せず一方的に削減したり、労務費そのものや他の費用(材料費、労務費、その他経費など)で減額調整などを行うと、建設業法違反となる恐れがあります。)

■下請企業

・下請け企業では、雇用関係にある社員と、請負関係にある者を明確に区別し、雇用関係にある者の保険加入徹底を求められます。

(一人親方として請負関係にあっても、実態が労働者だった場合、偽装請負として職業安定法などの労働関係法令に触れる恐れがある。)

これに関して、請負関係が成立するか労働者であるかどうかは、

・仕事の依頼、業務に従事すべき旨の指示等に対する諾否の自由の有無

・業務遂行上の指揮監督の有無

・勤務時間の拘束性の有無

・本人の代替性の有無

・報酬の労務対償性

をはじめ関連する要素を加味して総合的に判断されるべきものとされています。

その際、雇用するなど契約形態の変更もあり得ることとなり、その場合保険加入に関しても適切な対応を取ることが必要です。

▽現状、どこまで厳しくなっているの?

国土交通省に電話で確認してみました。

公共工事に関しては既に、元請けに始まり一次請け、二次請け、三次請けと全ての業者に関し100%適切な保険への加入を要請、未加入業者に関しては現場立ち入り不可となっている。

公共工事以外の工事現場については元請業者が下請け企業に対し確認・判断・指導をすることになっており、どこまで厳しく取り締まるか元請け業者によって差異が出る可能性はあるが、下請指導ガイドラインでも「平成29年度以降は、工事の 円滑な施工に著しい支障が生じる懸念がある場合のような特段の理由がない限り、未加入業者との工事契約・現場入場を認めないもの」としてるため、徐々に厳しくなっていくだろうとのこと。

また元請企業が未加入業者を確認した場合には、建設業許可行政庁または社会保険等担当部局への通報が求められており、周りの目はどんどん厳しくなりそうです。

▽わからないことがあったらどうすればいい!?

国土交通省は全国社会保険労務士会連合会と連携し、全国47都道府県に無料相談窓口を設置しています。
職業安定所や年金事務所以外にも、問い合わせ出来る場所があります。

場所や電話番号など、詳しい情報はこちら。
http://www.mlit.go.jp/common/001154563.pdf

(国土交通省からのお知らせより)

正直、この記事作成にあたり、調べ始めてから理解するまでに結構な時間を要しました。

何がなんだかわからない・・・。わからないことがわからない・・・。

恐らくそのような問い合わせが多いのでしょう。
調査をすすめるうちに国交省のHPレイアウトがどんどん変わっていきました。

現在は見やすく、わかりやすく要点ごとに資料も整理されていますので
一度見てみることをオススメします!

少しでも皆さんの心のモヤモヤの解消につながれば幸いです!

2017年1月17日投稿