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人手不足の解決につながる職人基本法って何のこと?

社会保険の未加入問題の陰で成立していた超重要な法律「職人基本法」

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建築業界で今話題になっている社会保険の未加入問題。

社会保険の未加入問題に国を挙げて取り組むことが、2016年末に国会の委員会で決議された頃からの話題です。

実はこの社会保険の未加入問題に関する決議の同時期に、もっと重要な法律が成立し、2017年3月16日に施行されたことをご存知ですか?

その法律は「職人基本法」と呼ばれています。
(正式名称:建設工事従事者の安全および健康の確保の推進に関する法律案)

「職人基本法」は建築のコストを変える可能性をもっているのです。

幅広く建築に関わる人を守る「職人基本法」

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職人基本法は”建設工事従事者”の健康と安全を守るためにつくられました。

法律に詳しい方なら、「労働者安全・衛生法が既にあるのに?」と疑問に思われたことでしょう。

実は労働者安全・衛生法は、その名のとおり”労働者”のための法律で、建築では一般的な「一人親方」は自営業者なのでカバーされていませんでした。

2020年オリンピック・パラリンピックの前に建築ラッシュが予想されることから、建築に関わる人のための法律が整備されたのです。

「職人基本法」では下記のような5項目に、国や自治体が取り組むことが定められています。

  1. 安全・健康に関する経費を、請負において積算・明示・支払
  2. 安全・健康に関する責任の明確化
  3. 労災保険の把握
  4. 現場の安全性の点検
  5. 啓発

「職人基本法」では上記の項目について促進することが目的です。
そのため罰則はありません。
しかし今後の流れとして労働安全・衛生法のように、厳しい罰則が課されることは十分想定されます。

「職人基本法」で変わるコスト

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「職人基本法」のなかで最も重要なのは、1番の「安全・健康に関する経費を、請負において積算・明示・支払」です。

もしかして「現在は罰則がないから安心」と思われていませんか?

それは少し早合点です。
なぜならこの法律には国と自治体が本腰を入れて取り組むことになっているので、公共事業の請負では1番の内容が、半ば義務化される可能性があるからです。

そうなると今まで職人さんの自己管理を信じて、安全・健康についてコストをかけていなかった企業は、入札において不利になります。

「職人基本法」の運用が始まってからでは遅いのです。
今から安全・健康について取り組みを始める必要があります。

人手不足解消の思いをこめてつくられた「職人基本法」

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「職人基本法」はコスト増につながる経営者の悩みの種なのでしょうか?

どうやらそうでもないようです。

というのも業界をあげて安全・健康に取り組むことで、職人が再び憧れの職業になり、人手不足の解消につながる可能性があるからです。

実際、「職人基本法」の成立を主導した自民党議員・櫻田義孝氏も
親の仕事を継ぎたいと思う憧れの職業となるようにしたい”(日刊建設工業新聞、2016年12月16日)と語っています。

「職人基本法」の今後に要注目

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「職人基本法」の運用はまだ始まったばかり。

法律は成立することよりも、その後の運用が重要な場合もあります。

「職人基本法」にのっとって、国や自治体がどのような施策を打ち出していくのか要注目です。

2017年3月16日投稿