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外国人技能実習制度による繁栄の法則。

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〈 フロアエージェントの技能実習生と又吉社長 〉

 

国内で年々増加する、外国人技能実習生。

建設分野では誰もがご存知の制度でしょう。

 

今回、2014年から技能実習生の受け入れを開始し、彼らの母国であるベトナムにも会社を設立した総合床工事業を専門とする株式会社フロアエージェント 代表 又吉さん、そして同社で働く実習生3名にお話を伺いました。

 

彼らが活き活きと働ける秘訣、そして会社の工夫に迫ります。

 

 

■外国人技能実習制度 導入の加速と実態

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又吉さん:「外国人技能実習制度」は今日の建設業界で当然のように利用されています。

成熟期に入っていると言っても過言ではありません。

 

しかし、受け入れ側の体制はまだ整っていないところが多く見受けられます。

監理団体も増えすぎて、受け入れ企業に定期訪問しないような不適切な組合(監理団体)が存在し、よくニュースでも目にするような「実習生の失踪」を生み出してしまったのです。

 

私が1番ショックだったのは、日本を尊敬して来日したはずが、帰るときにはもう日本人と付き合いたくないと言って帰っていく実習生が8割もいたという調査結果でした。

 

技能を学びに来ているのに雑用しかさせてもらえず、何人も同じ部屋に寝泊まりさせられ住居環境も悪い。そんな中に3年もいたら疲弊してしまいますよ。

 

彼らは自分の人生だけじゃなく、家族、親、そして親戚中の人生を背負って来ている。

失踪したら行き場を失うことなど分かりきっているのにも関わらず、耐えられない。

それは本人だけではなく監理団体や受け入れる側にも問題があるのだと思っています。

そういう話が知られているようで知られていないんです。

 

(この実状を踏まえ、技能実習制度を見直した法律・新たな制度については後述。)

 

 

■フロアエージェントで働く技能実習生

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〈 左からヒュータイさん、ファンさん、ズウォンさん 〉

 

又吉さんが「宝物」と呼ぶ技能実習生の皆さん。

挨拶や素振りから、礼儀の正しさは日本人以上のように感じました。

表情が本当に柔らかい。この日初めてお会いしましたが、とても接しやすかったです。

 

同席してくださった3名に、来日までの話や日本での生活について伺いました。

 

 

Q.日本に来る時、どんな気持ちでしたか?

 

又吉さん:俺もそれ聞きたい。

 

ファンさん:3年間仕事と日本語いっぱい覚えて、仕事頑張ってお金稼ぎたいと思って来ました。

でも日本語難しいから、毎日の仕事ができるか不安だった。

 

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〈 1期生のファンさんは、日本語を話すことはまだ苦手ですが、聞いて理解することは得意です。

彼は来日当初から目を合わせて頷いたり、ジェスチャーで伝えるなどコミュニケーションを心得ていたため、

人当たりが良く今ではあの習生呼んできて!とまで言われるほど現場で調和が取れているそうです。 〉

 

 

ズウォンさん:外国人として仕事するのは、日本語が難しいから大変そうだと思いました。

私たちの日本語と仕事は終わらない。先輩が教えてくれるけど、ちょっと大変ですね。

 

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〈 同じく1期生のズウォンさん。日本語を理解するまでに時間がかかったそうですが、何より仕事がキレイ。

そのため、言葉に慣れてきた2年目以降はみんなが認める存在になりました。 〉

 

 

又吉さん:ズウォンもファンも、子供が生まれた直後に日本に来てるんです。

ズウォンなんて子供の顔見れたの?

 

ズウォンさん:ちょっとだけ見ました。

 

又吉さん:3歳までが一番大事と言われている時期に来て、正月も休みも帰ってない。

一番恋しい時ですよ。だから彼らのこういう思いを絶対に無駄には出来ない。

 

ズウォンさん:3年終わったら子供に気付いてもらえないかもしれない(笑)

 

又吉さん:誰このおじさんって?

 

一同:爆笑

 

ズウォンさん:いつもラインで写真とか見てます。

 

又吉さん:そのためにうちの寮はWi-Fi完備にして、常に家族と連絡を取り合えるようにしています。

 

 

Q.日本に来るまで一番大変だったことは?

 

ヒュータイさん:お金。100万かかった。

 

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〈 2期生のヒュータイさんは来日してまだ11ヶ月。

クールな印象の彼ですが、そのずば抜けたセンスには又吉さんも驚きを隠せません。

やはり来日までは、苦労があったようです。 〉

 

 

又吉さん:向こうの100万は家買える金額ですからね。

 

質問:ということは恵まれた人しか来れないんですか?

 

又吉さん:貧しい家庭で、親戚中が先行投資でお金を出し合って来ている。

彼らが日本から仕送りすれば家が立っちゃう位になりますからね。

背負っているものが全く日本人と違いますよ。

「技能をもぎ取ってやる」位の覚悟で来ているんです。

 

 

Q.仕事で大変だったことは?

 

ファンさん:今は会社で土間仕事、左官仕事をやっている。

土間は一番大変だけどいっぱいやらせてくれる。いっぱいできる。

 

ズウォンさん:夏、夏!

 

ヒュータイさん:パンクパンク!(笑)

 

又吉さん:ははは(笑)

「パンク」は専門用語で、「押さえ不良」の事を意味します。

夏は暑いからコンクリートを流すとすぐ乾きます。

そのため早く仕上げろって言われて、パンクするぞと先輩から言われるんですよ。

だからこの仕事の夏は、技術とスピードが試されるんです。

 

 

Q.何がやる気に繋がっているのですか?

 

この日、最も聞きたかった質問です。

皆さんの答えは同じでした。

 

ファンさん:日本で頑張って、お金家族にあげるから。

 

質問:毎月仕送りしているんですか?

 

ファンさん:はい。

 

 

Q.この会社での仕事は楽しいですか?

 

3人:楽しいです!

 

ファンさん:綺麗になった現場見ると嬉しい。

 

又吉さん:ヒュータイは?(ヒュータイさんは3人の中では新人。)楽しい?

 

ヒュータイさん:楽しいです。

 

又吉さん:楽しくなかったらちゃんと言うんだぞ!

 

ヒュータイさん:はい。

 

 

同社では2人1部屋の寮を用意し、

生活の必需品とも言えるWi-Fiとお米は会社から支給しています。

 

ちなみにベトナムの物価はフォーが150円ほど。

それに比べ日本のラーメンは1000円以上することもありますよね。

 

毎日のお弁当にも必須なお米が支給され、その分仕送りできたら家族はどれ位助かるのでしょうか。

 

お米10kgが日本で3000円としても、そのお金で150円のフォーを20食買えます。

日本に置き換えて「ラーメン20食分」と考えると、結構な金額です。

 

 

■受け入れ企業としての不安はありましたか?

 

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又吉さん:受け入れを始めるにあたり、組合(監理団体)に過去の事例を踏まえどんなことが起こりうるのか洗いざらい聞きました。

 

育っている環境が違うので、互いの常識は根本から違います。食べ物も、着る物も習慣も。

母国では当たり前にやっていることが、日本は不審者扱いされるようなケースも少なくありません。

ですから最初は徹底的に日本の常識を教えました。

 

安全についても同様のことが言えます。

 

ベトナムの工事現場はヘルメットも足場もありません。現地を訪れ愕然としました。親綱も無く落ちたら一貫の終わりという状況で普通に仕事をしている。公共工事は多少改善されているようですが、それでも日本とは比べ物になりません。

 

擦り切れたジーパンで現場に行くとか、彼らは当たり前だと思っていても日本では絶対にNGということは往々にしてあります。

しかし、私はそのほとんどがコミュニケーション不足から来るものだと思っています。

ちゃんと丁寧に伝えればわかる。最初は大変かもしれませんが、受け入れ企業の皆さんには実習生がちゃんと理解するまで諦めずに対話して欲しいですね。

 

 

■日本人社員にも理解してもらう

 

又吉さん:弊社では、技能実習生が来日する1年位前から手続きがどこまで進んでいるかなどを従業員1人1人に伝え、これから来るんだという実感を持ってもらえるように心掛けました。

 

外国人と一緒に働くって、社長はいいけれど現場で仕事をする者にとっては不安が伴います。

従業員のほとんどがベトナムに行った経験は無く、どういうステップを踏んで日本に来るのかもわからない。そもそも言葉は通じるのだろうかとか。

 

そんな状況で突然チームを組まされても、どう接したらいいか戸惑いますよね。うちの実習生は運動神経が抜群で体力もある。動けるからこそしっかり指導してあげないと、現場で空回りしてしまいます。やる気は人一倍あるのにやり方がわからないから出来ない、挙句の果てに怒られたりなんてしたらストレス溜まるでしょ?

 

だからじっくり時間をかけて既存の従業員に十分理解してもらい、指導できる体制を整えることは社長の役割だと思います。弊社でも最初は “仕事できないのに…” と不満は出ていましたが、今は「彼ら無くして会社は無い」と、皆がその働きぶりを認めています。

 

(インタビュー中、事務所に帰ってきた先輩陣の口からも、彼らは頑張り屋さんです!と力強い回答をいただきました。)

 

ようやく全員に伝わってきたかなというように感じますね。

根気強く伝え続けることが大切です。

 

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〈 一緒に働く日本人スタッフ 青木さん 〉

 

 

■又吉さんの想い

 

又吉さん:技能実習制度を導入する際、まずは送り出し国を訪れ実習生の面接をします。

そしてベトナムの場合、受け入れが決まると翌日には500キロ位離れた田舎から親御さんがハノイまで来て面談をします。

 

その時の光景は、受け入れる側として本当に身が引き締まりました。

親御さんは「私たちの息子を本当にお願いします」と、心の底から言って送り出している。そうやって彼らは家族親戚総出で送り出されるんです。そんじょそこらの気持ちで決めているわけではない。なんとしても意味のあるものにしないといけない。

 

こういった背景を持つ彼らの眼力は強いですよ。家族を何とか助けてあげたいという生きる術として来てるので、ハングリー精神が違います。同じ年齢で同時期に学ばせたら勝てない位、恐ろしいほど仕事をします。彼らは今うちの会社でトップレベルの技能を身に着けていますし、日本語も仕事も覚えたらその分、賃金に反映しています。

 

 

もう1つ。ハノイで1人の青年に会ったんです。

彼は日本での技能実習を終え帰国後、塗料会社のようなところに勤めていました。

月の給料は35000円。何のために日本に行ったんだと問いました。日本でしっかり仕事を覚えたのになぜ現地でそんな低い給料で働いているのか。

 

30歳を前に脂が乗って働き盛りの青年が、こんなに低い賃金で働いている。実習後の道筋がまだ確立されていないということを表しています。

 

その現実に直面し、私は現地の語学学校と共に「JVネットワーク」という合弁会社をハノイに設立しました。弊社で技能実習を終え帰国した後、本人が希望すれば即幹部としてJVネットワークで採用します。

 

日本に来て良かったって、彼らがそう思える道を切り拓くんです。

 

 

■取材を終えて

 

いかがでしたでしょうか。

技能実習生の受け入れや育成に悩む企業へのヒントになればと、フロアエージェントさんのご協力の下このインタビューが実現しました。話の中には外国人技能実習生と上手に付き合っていく為のポイントがいくつもありました。

 

①生活しやすい住居環境を整える

②受け入れ側が不安なことや、過去にあったケースを監理団体から聞く

③日本の常識を改めて教える

④実習生が理解するまで根気よく指導する

⑤既存社員にも制度や状況をしっかり理解してもらう

⑥スキルの向上を賃金に反映する

 

そして何より一番大切なことは、実習生のことを理解することではないでしょうか。

 

建設業で在留可能期間が延長されたのは紛れもなく人が足りないからです。

ですが、単なる人材不足の埋め合わせではなく本来の目的である「開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力する」ということを忘れてはいけません。

新たに施行される法律も、制度の趣旨を徹底するためのものです。

 

 

今回お会いした3名の実習生のように、家族、親戚中の人生を背負って生きることは、私にはとても想像がつきません。しかし、常に笑顔を絶やさず非常に前向きな彼らからは、心の豊かさを感じました。

 

又吉さんが言った、「ベトナムは戦後の日本ではないけれど、生活は貧しくても誰もが楽しそうに暮らしている。」この言葉が胸に突き刺さります。

 

国の経済的な豊かさと、人の心の豊かさは必ずしも比例するわけではないのかもしれません。

日本人が実習生から学べることも沢山あるように思います。

 

大きな目的を持って来日する実習生が、日本人と互いに学び合い、母国の発展を担う存在となれるよう心から応援します!

 

 

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*今年施行される「技能実習法」

 

技能実習生に関する目を伏せたくなるようなニュースが報道される中、昨年制度が見直され、技能実習の適正な実施を促し実習生を保護するための「技能実習法」が成立しました。

 

相手国政府と協力し、両国政府間の取り決めがない不適正な保証金(失踪防止の為の担保)を徴収しているような送り出し機関の排除、日本で実習生をサポートする役割である監理団体や実習実施者の責任の明確化、また人権侵害に対する罰則・通報窓口が整備され、今年2017年に施行されます。

 

また、実習実施者、監理団体に報告を求める「外国人技能実習機構」も創設されました。

 

詳細は下記、厚生労働省HP「新たな技能実習制度について」よりご確認いただけます。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000166551.pdf

2017年6月23日投稿

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