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国交省が建設業のヒヤリ・ハット事例集を発表。事例数は約500件!

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「安全第一」は建設業に関わる皆様が、日々向き合っている言葉だと思います。
しかし、減少傾向にあるものの、建設現場での事故は起こり続けています。
2020年の東京オリンピックにむけて建設ラッシュが予測されるなか、国交省は建設現場の事故を減らしていくために、2017年6月に「ヒヤリ・ハット事例集」を公開しました。

「ヒヤリ・ハット」とは、事故に至らなかったものの、ヒヤリとしてハッとするほど危ない出来事の通称です。『1件の重大事故が起こるまでには、29件の軽微な事故があり、さらに300件のヒヤリ・ハットがある』という「ハインリッヒの法則」に基づき、国交省はヒヤリ・ハットを減らすことで事故の芽を摘むという作戦です。

事例集には以下の建設業種のヒヤリ・ハット事例が含まれています。
・鉄筋工事業
・型枠工事業
・とび工事業
・屋根工事業
・内装仕上工事業

事例の詳細は下記URLからご覧ください。
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk2_000107.html

【アッ!と思ってからでは遅い。ヒヤリ・ハット事例を紹介】

収録されている事例を一部抜粋して紹介します。
是非、興味をもっていただき、国交省のHPから詳しく見ていただければと思います。

鉄筋工事業

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経験年数20~30年の方が経験したヒヤリ・ハットがこちらです。

耐圧スラブの上筋の材料D25 L6000(約2t)を玉掛けしている際に、無線機を使用せずに手合図のみを行った。その際、親を上げる合図を間違って親を下げる合図を出してしまい、材料が勢いよく職人に迫ってきた。とっさに取った行動は皆で材料の上にしがみつき、挟まれ・激突は回避した。

「玉掛け」とは、クレーンに荷物を掛ける作業のことです。「親」とはクレーンのフックのこと。2トンの鉄筋が迫ってくる光景は、生きている心地がしなかったことでしょう。経験年数があるがゆえの油断だったのでしょうか。

型枠工事業

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次は10代の方が経験した事例です。

材料を担いで、根切り底(約50cm)に下りようとした際、バランスを崩し転倒しそうになった。

「根切り底」とは建物の地下構造物をつくるために掘られた場所のことです。シンプルに書かれていますが、担いでいた材料によっては、重大な事故につながりかねません。顛倒した人が他のひとに衝突し、二次災害にもつながります。この事故の原因は、「昇降階段」を利用せず、近道をして根切り底に降りたためとされています。本人は「危ないと思っていなかった」としていますが、未経験だとやってしまいがちな危険行為は、先輩が事例を通じて教育する必要がありそうです。

とび工事業

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とび工事業の事例は、簡潔に書かれているのですが、不安定な高所で作業をするとび工事業の方ならではのヒヤリ・ハットとして興味深いのが「地震」です。地震についてのヒヤリ・ハットが4件挙げられています。防止策のひとつとして「緊急時でも落ち着いて対応する」とありますが、地震の多い昨今だからこそ、日ごろから地震の際の対応について話し合っておく必要があるのかもしれません。

屋根工事業

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続いて紹介するのは、午後6時の薄暗い時間のヒヤリ・ハットです。

暗くなっての下地葺き作業において、段差(45cm)に気付かず、転落しそうになった。(棟違い)

事例集によると投光器を点けていなかったようです。午後6時は、夏ならまだしも、春や秋だと一気に暗くなり始める時間帯です。「今日のうちに」という焦りと、「まだ大丈夫」という油断がヒヤリ・ハットのもとだったと考えられます。

内装仕上げ工事業

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最後に紹介するのは、業種を問わずに発生する資材運搬作業時のヒヤリ・ハットです。

PB搬入作業で、トラックから1Fに搬入した際、段差に気づかずバランスを崩し、よろめいた。(繰り返し作業の為、注意不足になっていた)

「PB」とは、いわゆる石膏ボードのことです。同じ資材を繰り返し運搬する作業は、機械的に進めて早く終わらせてしまおうとしてしまいがちです。しかし意識の空白に、建設現場の危険は潜んでいるのかもしれません。みなさんは、繰り返し作業の場合には、どのようにして気持ちのハリを保っていますか?

【建設業界全体で安全第一に取り組む一歩】

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ここまでヒヤリ・ハットの事例を紹介してきました。HPでは500件近い事例が紹介されています。他人事だと思わずに、ちょっとした行動が、思わぬ大事故につながるという実感をもつきっかけになる事例集です。

これからの建設需要にむけて、人材不足を補っていく必要のある建設業界。「安全第一」を業界全体のノウハウ共有で実現する一歩としても、今回の事例集は意義深いです。

2017年6月28日投稿