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AIは建設業界の救世主となるか?実用化間近なAIがもたらすコト

人工知能、AIという言葉を耳にしたり目にしたりする機会が日々増えてきました。とはいえ、熟練の技術が求められる建設現場ではAIが介入する余地はないのではないか、と思っている方はいるかもしれません。
実は、建設業界が抱える課題を是正すべく実用化を目指して様々なAIの開発が進められており、中にはすでに現場で活躍しているAIもあるんです。今回は最新のAIの事例と、期待される効果を紹介します。

 

建設業界がAI実用化に期待することは「時間短縮」

そもそも、建設業界がAIに期待する効果とはなんでしょうか。
建築・土木の実務者を対象に日経BP社が行った調査によると、75.9%の回答者が「時間短縮」を挙げています。依然として社会問題である長時間労働の是正が最優先事項であることが回答者の共通認識であることが分かります。
時間短縮以外には人員削減(64.6%)、コスト削減(59.5%)、技術者の業務軽減(54.4%)を期待する声が続きます。つまり、ムダを省いた効率的な作業の実現がAIに託された期待なのです。

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実例①AIを用いた無人化施工システムの開発に着手:大成建設

2017年5月、大成建設は「次世代無人化施工システム」を搭載した自動制御型重機にAIを組み込み、高精度かつ安全に施工が可能な新システムの技術開発に本年度から本格的に着手したことを発表しました。

2017年度ではAIを活用した自律制御型振動ローラに「高精度な自律走行を実現する走行制御システム」と「人と重機の接触災害を防止する人体検知システム」を組み込みます。これら2つのシステムを組み込むことによって施工時間の短縮・作業効率の向上安全性の向上・監視人の削減による省人化に繋がることが期待されます。2019年度に実証試験の実施によりシステムの完成を目指しています。

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画像:大成建設プレスリリースより引用。

 

実例②AIを用いた打音検査で点検漏れを防止するシステム開発:産総研

2017年6月、国立研究開発法人産業技術総合研究所の人工知能研究チームがインフラ構造物の打音検査を人工知能でアシストし、異常度マップを自動生成するシステム(AI打検システム)を開発したことを発表しました。

このAI打検システムは、点検ハンマーを用いた打音検査に対して、主に二つの機能を提供します。 一つは、ハンマーで叩いた箇所の異常の有無を異音解析技術により自動的に判定し、異常箇所を検出すると点検者にリアルタイムで提示する機能。もう一つは一連の打音検査の作業終了後すぐに、異常度マップを自動的に生成して点検者に提示する機能です。

点検員の感覚に頼らずに打音の異常度を定量化することでばらつきやミスを防止することが可能になり、非熟練者であっても点検箇所を漏らさず社会インフラの打音検査が行えるようになります。また、一般の点検ハンマーを対象としているので、これまでの打音検査の手順を大きく変えずに、このシステムを導入でき、図面化を含めた工数短縮につながることが期待されています。

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画像:産総研プレスリリースより引用

 

実例③AIと人間の知見を融合した自動施工計画ツールの導入:鹿島

2017年6月、鹿島は建設工事でAIと人間の知見を融合した自動施工計画ツールを導入することを決定しました。建物に関するあらゆる情報を持つ3次元(3D)モデリング技術を基に、AIが複数パターンの施工計画を提示するもので、2018年度中に試作版を現場に導入することになっています。

鹿島は三菱総合研究所と共同でAIの施工計画への活用を検討してきており、BIMを基に約400現場の施工パターンを解析しました。従来、施工計画は現場管理者がコストや工期、仕事量などを勘案しながら1週間程度かけて作成していました。AIの場合は数分で施工計画を提示するため、大幅に作業時間を短縮できます。これによって働き方改革に繋がることも期待されています。

機能の高度化や機械学習などで精度を高めてパッケージ化し、将来は外部への販売を目指しており、中小ゼネコンなどの利用を想定しています。

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AIは建設業界において新しい働き方を創出する

今回紹介したAIの実例はほんの一部です。しかし、この3つの例からわかるように、AIを現場で導入することは労働時間や工程のロスを減らすことで効率的に働くことを可能にするのです。しばしばAIは人の仕事を奪うと言われますが、あくまでAIが肩代わり出来る作業をAIに任せ、責任や熟練の技術が求められる部分は人間が請け負うという分担の形が理想的ではないでしょうか。近い将来、AIを活用する建設現場が当たり前になるかもしれませんね。

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2017年8月16日投稿