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平均年間給与 建設業が初めてトップに

 

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東京商工リサーチが、2017年3月期決算の上場企業2,172社を対象に平均年間給与額の調査を行いました。

全体の平均は2016年の624万円から、628万1,000円と4万1,000円(0.8%)の増。

業種別では建設業が711万8,000円、前年比3.1%増と初めて業種別トップという結果になりました。

 

その背景には東京五輪に向けた都市部の大規模再開発の増加、それに伴う主要ゼネコンの業績アップが影響しています。各社ともここ数年大幅な賃金のベースアップに踏み切っており、それは17年春の賃金改定にも表れました。

 

大林組を例に見てみると、同社のホームページには4年連続で実施したベースアップの概要が記されています。2017年の新卒採用者は初任給5,000円の引き上げ、これで4年間累計の初任給引き上げ額は20,000円に達したとあります。

人材確保も、再開発投資の増加に合わせ波に乗せたいところでしょう。

 

 

■肝心な現場の技能労働者はどうか

 

 

今年1月に発表された国土交通省の資料では「若手の技能労働者が入職しない原因」と「若手の技能労働者が離職する原因」のいずれも、主な理由を「収入の低さ」が占めています。

 

 

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(国土交通省資料:建設業を取り巻く主な情勢より)

 

 

2016年の現場従事者の年収額水準を見ても、製造業と比較し11%低い418万円という結果に。

(※10人以上の事業所に雇用される常用労働者(見習い、技術者、事務員等を含む)のうち、 職別工事業に従事する男性生産労働者約1万6千人分について調査。)

 

 

この問題を国は重く受け止めざるを得ません。

なぜなら…

500万人いる建設業就業者のうち、技能労働者は331万人と圧倒的な数を占めており、

その約1/3にあたる111万人が55歳以上の高齢者だからです。

30歳以下の技能労働者数は35万人。このままではとても111万人分の労働力は補えません。

 

現場で働く人々の賃金も、早急に若者が入職しやすい水準まで改善する必要があるのです。

 

 

■対する国策は・・・

 

 

そこで国は発注者から下請業者、技能労働者に至るまで持続可能な賃金水準を保つため、

適正価格による契約の推進、そして重層下請構造の改善を進めています。

 

 

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昨年2月からは技能労働者が社会保険等へ加入するために必要な法定福利費相当額を反映した、公共工事設計労務単価(新労務単価)を適用し、全国平均で 4.9%の上昇となりました。(今年3月にはさらに3.4%引き上げられた。)

また業界内部の構造・実態を把握し、下請構造が過度に重層化する要因を分析することで不要な下請契約の回避施策を検討し、業界全体の生産性向上、下請企業へのしわ寄せの抑制を図っています。実際に日本建設業連合会では、会員企業による下請次数の目標設定などが先駆的にスタートされ、また一部の地方公共団体でも、自らの発注工事の下請次数を制限するなどの取組を始めています。

 

現場で働く技能労働者の処遇が一刻も早く改善されるよう、業界の期待がかかります。

 

 

新労務単価についてはこちらからご覧ください。

国土交通省HP:

http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo14_hh_000641.html

 

参考資料:国土交通省資料 建設業を取り巻く主な情勢

https://www.mlit.go.jp/common/001117243.pdf

 

2017年8月23日投稿